ゲームのはなし

人狼やボードゲームなど、とにかく遊んだ記録をつけていきます。

【人狼】うさんくさい貴方に捧げるうさんくさい人ならではの戦い方7選

  人狼の話です。

  プレイしてると、言っていることは筋が通っていたり、盤面的にも処刑するには優先順位が低いのに、なぜか怪しく思われて投票されて処刑されてしまう、そんな人はいませんか?

  はい、私です。

  もちろん本当に人狼だったり、言ってることが間違っていることもあるんですが、それでも処刑されてしまうのは悲しいものです。

 

  しかし、です。人狼は「処刑されないこと」が目的とは限りません。人狼や妖狐は処刑されないことの優先順位は高いですが(そもそも妖狐は処刑されたら負け)、人間陣営は、人狼を全員処刑できれば勝ちです。つまり、自分が処刑されても負けというわけではありません。

  というわけで、よく疑われて処刑されやすいうさんくさい人ならではの戦い方ができないかまとめてみました。

 

※今回の戦法は、全ていわゆる「TLPTルール(狼3狂占霊護、初日白通知、村騙り結果騙りNG)」を前提としています

 

 

1:狂白寄せ(きょうしろよせ)

  うさんくさい貴方がもっとも会得しやすい戦術ですので、まずはこちらを習得するところから始めてみましょう。

  初日の議論、ただの人間で疑われている貴方。人狼は貴方が人間であることを知っているので、助ける理由はありません。このままでは疑われて処刑されてしまいます。しかし、大丈夫。慌てず余計な白アピなどせず(重要)、推理が進むのであればその推理を話、何もわからなければ何もわからないと素直に言いましょう。そんなうさんくさい貴方を助けてくれる人が一人いるからです。そう、狂人です。

  「予言者です。○○さんを白と知っています」

  怪しいあの人は人狼なのでは?と勘違いした狂人が白を当ててくればしめたもの。人狼陣営は真予言と見分けがつかないから油断ができないし、狂人は(勝手に)手応えを感じて油断してくれるし、真予言は偽物を労せずして炙り出せるし、貴方はとりあえず処刑対象から逃れられるしで、一石四鳥です。狂人を味方につければ、その後狂人に正しい結果しか出させないという高度なプレイも夢ではありません。もっとも、時には貴方が本当に真予言の初日白で、真予言がかばうために出てくる羽目になることがあります。その時は心の中で真予言に詫びながら戦いましょう。まだ初日、戦いは始まったばかりです。

 

2:ラストチャンス

  人狼を2匹処刑できて、あとはラストウルフを処刑できれば勝ち。そんな場面で筆頭候補を探してみたところ、なんとびっくり、貴方でした。さてそんな時、貴方はどうしましょう?自分の白アピをしますか?弁明をしますか?

  3人残りの最終日ならそれは仕方ありませんが、そうでなければ止めておきましょう。貴方はもはや村にとって残せない位置なのです。弁明したところで、これまでの投票などの履歴から黒くなっているのだから、事実はひっくり返せません。だからこそ思い出してほしいのです。「人狼を全員処刑できれば勝ち」というルールを。

   貴方は一番黒いですが、貴方が村であることは貴方自身が知っています。つまり、「何かこれまでの黒位置絞り込みで異変が起きている」ということになります。身内切りなどで投票から白位置に人狼がいってしまっている、ある条件に当てはまっている人を白位置に置いたけど、その条件が間違っている、などなど。

  必死に考えましょう。何が起こっているのかを。貴方を処刑した次の日、残った村人たちは、貴方が今まさに考えていることを嫌でも考えなくてはならなくなります。それであれば、村のためにも貴方が先に推理を進めるべきです。幸い人狼は1匹だけ、つまり貴方が処刑されて夜が来た段階で、貴方は人間であることが確定します。人狼を追い詰めるための推理を、人狼にたどり着けるための推理を進めましょう。後は残った村人になんとかしてもらうしかありませんが、そこは残った村人を信じてください。少なくとも残った村人は、黒位置に行かなかった貴方より正しい投票・推理はできているのですから。

 

3:ネクロマンサー

  前述の「ラストチャンス」に関連する話ですが、議論中に「人狼に襲撃された人の意見」「予言で確白になった人の意見」を聴こうという姿勢はよく見られます。しかし、ここでちょっと考えてみてください。例えば霊媒師が二人出てて、処刑した人物を二人とも「人間」と言いました*1

  処刑された人、確白ですよね?

  一度、投票を洗うだけでなく、その人がどんな意見を言っていたか思い出してみてはいかがでしょうか。人狼は、当然邪魔な人間を排除したいと考えています。もし襲撃ではなく投票で、人狼にとって都合の悪い意見を持っている人間を排除できるとしたら?

  投票筋だけから人狼にはたどり着けなくても、別の角度から仮説を立てて推理を進めることは可能です。うさんくさい人間を処刑した結果、結局人間でしたが、果たしてその人は本当にうさんくさかった「だけ」のでしょうか?なぜその人の意見を怪しいと思ってしまったのでしょうか?是非、襲撃された死者だけではなく、処刑された死者の意見にも耳を傾けてみてください。

  

4:藁払い (わらはらい)

  例えば貴方が真予言で、占いも根拠をしっかり持っているのに、信じてもらえないどころか、疑われてしまう。しかし、ピンチな中でも、「〇〇さんは本物だと思う」と言ってくれる人もいます。状況は厳しいけど、信じてくれる人も一定数いる。うさんくさい貴方が本物の予言者の時、こういうことはしばしば起こりえます。そんな時、貴方がやるべきことは何か。

「〇〇さんは本物だと思う」と言ってくれる人もいます。

  この人の精査をしてください。場合によっては占うのもありです。

  信じてくれるのは嬉しいですが、そもそもこの人はどうして貴方を信じてくれるのでしょうか?この人が最初から貴方を信じていると表明しているならまだしも、貴方が劣勢の中で言っている場合は、一定の注意を払ってください。例えば騙りに出た人狼が信用勝負でガッツリ勝っていて、襲撃されない違和感を消すために、仲間の人狼がわざと信用されていない貴方に味方しているだけだとしたら?

  最終的には「貴方を信じてくれる人間が誰もいない」という事実にぶち当たって絶望することもあるでしょう。ですが、「人狼を全員処刑できれば勝ち」です。真予言の貴方は、せめて人狼が誰なのか、正確な情報を諦めずに落としていきましょう。溺れている貴方に差し出された救いの手は、藁かもしれません。藁を掴んでも溺れるだけです。勇気を持って、藁を払いましょう。

  

5:潜伏予言

  真予言を引いたのに、初日からいきなり疑われ、しかも自分を疑っている人の中には自分の初日白まで混じってる。そんな時、真予言だと名乗り出ていませんか?

  名乗り出ないでください。信用勝負で負けます。

  疑われてから慌てて名乗り出ても、偽物に名乗り出るタイミングなど図られてしまいます。余裕を持って出てきた偽予言に勝つのは大変な上、自分はマイナスからのスタートなので、互角に戦える状態に持っていくことすら大変です。自分に不利なこの状態で、人狼に身内切りなどをされてしまえば、盤面上でも説得ができなくなってしまうため、勝ちは見込めないでしょう。

   ではどうするか。名乗り出なければ良いのです。仮に処刑されても、能力を持っていることは絶対に言ってはいけません。貴方が真予言だということは文字通り墓場まで持っていってください。

   「そんなことをしたら真予言が誰かわからなくて村が混乱するじゃないか」という意見には、こう返しましょう。

 

 「『真予言が誰かわからなくて混乱している』

     『偽物の予言を本物と信じている』

      村にとってより危険なのは、どっちですか?」

 

  信用の低い人物が真予言と名乗り出ることは、偽予言の信用を上げる行為に他なりません。それであれば、まだ初日に襲撃された人を真予言に仕立て上げ「あの人が真予言だったのでは」と誘導して偽予言を処刑するように頑張るほうがよほど効果的です。真予言と名乗り出て皆に信用されずに村全体を不幸にするくらいなら、この村には真予言はいないことにして、占いで正確な情報を得て貴方だけでも幸せになったほうが良いと思いませんか?

 

6:共感黒

  「共感白」はよく耳にすると思います。「自分と思考過程が全く同じだから村だと思う」というのが共感白です。うさんくさい貴方は、あまり共感白を得られず、共感白で白位置を取れる人を羨ましく思うかもしれません。

  しかし、もう一度思い出してください。人狼は「人狼を全員処刑できれば勝ち」です。つまり、人狼を突き止めて処刑できれば勝ちです。「共感黒」はそのための戦術です。

  共感黒は共感白の真逆です。「自分と思考過程が全く同じだから人狼だと思う」。これだけ読むと非常に違和感があるでしょう。しかし、もし盤面整理の結果などで、貴方が最黒位置になったことを考えてみてください。客観的に見て、貴方は「人狼らしい行動」をとっているのです。だとしたら、人狼らしい行動をとった根拠となる思考は「人狼らしい思考」と考えられても不思議ではありません。しかし、貴方は人狼ではなく人間です。

  ということは、自分と同じ「人狼らしい思考」をしていた自分以外の人物が人狼なのでは?

  これが共感黒です。人狼らしい行動を導く思考の持ち主は、人狼の可能性が高いです。

  共感白は、相手から信じられると強いけど、相手を信じる手段としては足元を救われる可能性があります。共感黒はこの逆で、相手を倒す手段としては強いものの、相手からやられると厄介な戦術です。使いこなすのは難しいですが、せっかくうさんくさくなっているのですから、ぜひ会得できるよう頑張ってみてください。

 

7:デハブ

  「藁払い」の項で、

例えば騙りに出た人狼が信用勝負でガッツリ勝っていて、襲撃されない違和感を消すために、仲間の人狼がわざと信用されていない貴方に味方しているだけだとしたら?

 と書きましたが、これにも少し関連する戦術です。これは人外の時に使う戦術で、「あえて本物の味方をして本物の信用を落とす」手段です。貴方はうさんくさいのでどうにも信用されません。そんな霊媒騙りの貴方が真予言とラインを繋いでいたら?真予言の信用が引きづられて落ちていくことでしょう。潜伏狂人であれば、人狼を正確に見分ける必要はありますが、あえて怪しくなって本物の能力者の味方をしましょう。するとどうでしょう。「怪しいあの人が投票したから違うと思う」と言いながら人間が勝手に間違えていきます。

  もしこのデハブ戦法を練習したい場合は「政治家人狼」をプレイすることを勧めます。「あえて自分が怪しくなってから敵陣営の味方をして、人間の票を誘導する」というのは、自分が「にんげんの党」「おおかみの党」どちらの陣営でもできて、練習する機会が多いからです。是非、プレイしてみてください。

 

終わりに

  これまで戦い方を書いてきましたが、

  • 自分の意見をきちんと表明する
  • 人の話をきちんと聴く
  • 盤面整理をきちんとする
  • 投票や襲撃・予言霊媒結果など、事実関係を正確に把握する

  といった基礎スキルは大前提となります。もちろん全てが完璧にできている必要はなく*2、自分の弱いところ、強いところをしっかりと把握した上で、改善するなり伸ばすなりして戦い方を考えていけば良いと思います。

  貴方は、上手な人が信用をがっつりとって活躍する姿を羨ましく見ながらも、そうはなれない自分に落ち込むかもしれません。しかし、それはそもそも進むべきルートが違っているからかもしれません。うさんくさい貴方には、うさんくさい貴方なりの戦い方があるのです。

  真っ黒な貴方は、決して「みにくいアヒルの子」ではありません。ヒクイドリです。持ち前の力で人狼を蹴散らしてやりましょう。

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最近考えているのはこんなところです。

*1:両偽潜伏霊媒とかいうケースは除外します。

*2:全て完璧にできている人は稀だし、仮に全部できていても負ける時は負けます。