というわけで、アイスブレーキングとしてのキャプテン・リノ。
多動の子どもも少なくないらしいのですぐ崩れるかな―と思っていたら、思いの外積み上がっていきました。積み上げていく時の緊張感と、崩れてゲームが終わった時の緊張からの開放がセットになってたおかげなのか、終わった時にはすっかり子どもたちの緊張がほぐれていたのが印象的でした。
続いて「イチゴリラ」。
基本的には記憶力勝負なので高校生の子が勝ってました。
当初は小学5年生〜高校生を対象にしたワークショップを予定していたものの、蓋を開けてみたら上は高校生から下は未就学児と年齢の幅が広かったため、グループを2つに分けて対応することにしました。
年齢が下のグループには「インカの黄金」「ごきぶりポーカー」。
基本的なやることは「宝石を取りに行くか逃げるか」「出されたカードが本当か嘘か」という2択の判断だけなので、低年齢でも楽しめるだろうと判断しました。もちろん勝つためには相手がどんな判断をするかを踏まえるなどの考察が必要ですが、それを抜きにしても楽しめるゲームでした。自分が担当したのはごきぶりポーカーでしたが、姉弟対決が面白かったです。姉は強し。
僕が担当したのは「ワンナイト人狼」。年齢が下の子は人狼じゃないのに目を開けちゃったり、人狼をひいて「嘘をつきたくないから人狼です」と言っちゃったりする一面もありましたが、基本的には理解力が高くどちらのゲームもすぐにゲームとして成立していたのが印象的でした。ワークショップ主催の松本さんによると「いつもはもっとわちゃわちゃしているけど、今回はスゴイ飲み込みが早い」とのことでした*1。
最後は、別室でやっていた講演会の会場に移動して「We will rock you」を。
今回のワークショップの趣旨を松本さんが説明後、僕も含めた全員で実演。大人が見ている前だから緊張する子もいるんじゃないだろうかとちょっと心配だったのですが、大丈夫でした。むしろ長く続いていて大人たちがちょっとびっくりしていました。
ボードゲームから自分の得手不得手を知る
これは推測ですが、ディスクレシアの子どもたちにとってカードゲームはちょっとハードルが高いのかな、と思いました。その前提に立つなら、「ドミニオン」や「クク」などカードのフレーバーやテキストが重要になるものを避けて*2、ビジュアル的に楽しめるものをセレクトしたのは正解でしょう。もちろんどんな人間にも得手不得手があるので、ディスクレシアだからといってテキストが中心になるようなゲームが楽しめないということは無いと思います。
自分ができないゲームでも、何回もやるうちに少しずつ上手くなったり、自分が得意なゲームが見つかって嬉しかったり。アナログゲームの利点はこういった「成功体験」の積みやすさにあるのではないかと考えています。種類が沢山あるので、論理性が求められるもの、反射神経勝負、さらには運がほとんど、というものまで。勝てる勝てないは別にして、好きなゲームを見つけられたらそれを深堀りすれば自分の得手不得手がわかってきて、得意な分野で勝負しようと思えるようになる、と。
最近、ボドゲ会のお手伝いや自分の主催などスタッフ陣営として入る機会が増えてきたのですが、こういう「ボドゲ+α」というボドゲとはまた別の世界との橋渡しができるのはとても楽しいなあと思います。またこういう機会がありますように。あ、もちろん普通にボドゲも遊びてぇです。